夢を叶える音楽教室では、会員様のギターの購入をお手伝いしています。お一人ずつの目的や環境に合わせて、最良なものを提案しています。
前回の記事 新規会員様のギターを購入 をご参照ください。
大体中古が多いのですが、たとえ新品であっても調整が必要な場合が多いです。ギターを愛してウン十年、気を削ったりなんて大それたことは出来ませんが、ネジ回したりする調整はお手の物です。ギタリストなら誰でもできる簡単、かつ不可欠なリペアご案内させていただきます。
ギターリペアのポイント
- フレット磨き
- ギターの弦交換
- ネック調整(トラスロッド)
- 弦高調整(ブリッジ)
- オクターブピッチ調整
フレット磨き
このギターの前のオーナーは、きっと全然引いていなかったのだと思います。フレットが超サビサビ。。。写真だと少しわかり辛いですが、この錆は音のビビりやヌケの悪さの原因になります。ただ幸い、弾いていなかっただけあってフレットは減っていない! フレット交換は当然私では出来ません。リペアマンにお願いすると、安くても30000円~。相場50000円程度でしょうか。その費用が掛からないのでこれは儲けものです。
ギターのフレットは、弦と同じで消耗品です。ステンレスフレットはなかなか減らないらしいですが、一般的なものだとよく弾いていれば3-5年程度で交換でしょうか。その前にすり合わせといって削って高さを合わせるだけのリペアもありますが、やはり削ってしまうのでその場しのぎ感は否めないですね。話変わりますが、最近購入したTelecaster Deluxの74年製は、奮発してステンレスにしました。今後が楽しみです。
何が面倒って、マスキングが面倒。しかしこの作業が後の労力を軽減してくれます。ペンキ塗りと一緒ですね。
金属磨きを使って易しく錆だけを取り除きました。
ギターの弦交換
今回はフレット磨きがあったので古い弦を全部外してから行いました。外す際トラブル発生。ボールエンドがさびているのか弦が抜けない。+ドライバーを指してみたのですが、うーん、届かない。。。
お、ちょうどいいのがありました。弦高調整でつかう細い六角レンチが入りました。スポーンと抜けてすっきり。
今回はフレット磨きがあったので全部の弦を外しましたが、弦は必ず1本ずつ交換します。1本交換してチューニングし、また一本交換してチューニングする。ギターのネックには全部で60kg近い弦の張力が掛かっています。それを一気に開放するのはとても危険です。ひとつずつ交換してネックへのダメージを軽減させましょう。
ネック調整(トラスロッド)
ネックの反りはトラスロッドで調整します。現代的なギターは、エレキ・アコギ問わず、ネックの中に金属のボルトが入っています。順ゾリの場合はこれを締め、逆ぞりの場合は緩めて改善させます。今回は順ゾリだったので、締めて調整しました。まだまだゆとりもあって、今後もリペア簡単です。
トラスロッドが締め切ってしまうとそのギターの寿命なんて話を聞いたことがありますが、そんなことはないですよ! トラスロッドが締め切ってもネックの反りがある場合、一般的にはアイロンがけ(熱でネックをまっすぐにさせる)で改善する場合があります。特にローズやエボニーなどの指板が張ってある場合は効果的です。ネックをまっすぐに戻すとトラスロッドの巻きは弱くなってくれるはずです。それでもダメな場合、トラスロッドの留め具の下に新たに木を足したり、指板をはがしてトラスロッドを入れ直したりします。基本的に着の楽器は粘度があれば、リペアは無限に可能です。費用は別として…。今持っている一番古い100年以上前のクラシックギターはもはや木に粘度がなく、どうしようもない状態らしいです…。。。
弦高調整(ブリッジ)
ネックはほぼまっすぐになったら、弦高調整。一般的にナットとブリッジで行いますが、ナットは削って調整するので素人の私には出来ません。ブリッジだけで調整します。しかしこのギター、安いくせしてナットはほぼ完ぺきです。ビックリ。
さっき弦を抜くのに役立った六角レンチの登場です。ビンテージじゃなければ、100円ショップで売っている六角レンチセットの一番細いので合うはずです。
高さ調整は一般的には12フレットの高さを図ります。エレキターの場合は…
1弦:高さ1-1.5mm
6弦:高さ1.5-2mm
ただ、フレットのヘリやネックのねじれなど様々な状況でそれは変化させないといけません。慣れたら、やはり自分の感覚で、弾きやすいものを探すのがベターだと思います。
ちなみに、String Action Rulerという便利なものもあります。あまり使っていませんが、初心者の方にはおススメです。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/265365/
オクターブピッチ調整
オクターブピッチは下から調整します。ブリッジの駒を前後に移動させて、オクターブピッチを合わせます。
なんだそりゃ?
わたかります、私もギター始めたころなんだか分からなかったです。とりあえず回してみたけど…。
一般的なギターのフレットはネックと垂直にまっすぐに打ってあります。しかし1弦と6弦では弦の太さが違うので、この構造では正しいチューニングは出来ないのです。例えば開放弦とEとその弦のオクターブ上のEでは正確な1オクターブになっていない可能性が高いのです。ローポジションでは正しい音程なのにハイポジションで音程がずれるのは、この原因です。コードを引くとわかりやすいかも。
それを正すのがオクターブピッチです。
私は、各弦の12Fのハーモニクスと実音を同じ音程になるように合わせます。クリップチューナーなどを使うと精度も高いですね。まず12Fのハーモニクスを鳴らしチューニングを正確に合わせます。その後今度は12Fを押弦して確認。もし音程が高ければブリッジをネック側に動かし、低ければネックの反対側に動かします。このブリッジを動かすともともとのハーモニクスの音程も変わるので、何度も双方の音程を確かめながら合わせます。
ちなみに、この便利な長いドライバーも100円ショップです。助かります…。
オクターブピッチは弦を張り替えたばかりの時に行ってください。古い弦では正しく調整できません。
ギターがもともと持つオクターブずれは、この調整でも100%合わせられるものではありません。ギターの宿命ですね。。。しかしそれを大きく改善させたファンフレットという湾曲したフレットを打ってあるギターもあります。私はまだ弾いたことが無いので試してみたいですねー。